親が亡くなった時に行うべき届出と相続手続き(相続編)

2022年11月17日

親が亡くなった特に行う相続手続きについて、解説を行います。
死亡届等の届出については、大体が市役所や年金事務所で所定の申請書1枚に記載するだけなので、リストの順番で効率的に回れば問題なく手続きは完了します。

親が亡くなった際に行う市役所等への届出手続きは次のページで確認できます。

このコラムでは「遺産の相続手続き」をとりあげますが、面倒な資産がありますので、まずは概要を説明します。相続し名義変更を行う主な遺産は次の通りです。

他にも美術品やゴルフ会員権や船舶、経営していた会社の株式等がありますが、一般的なケースで説明します。

甲斐司法書士

相続手続きでまずするべきことは、【相続財産の把握】です。銀行口座、株式、不動産…等を正確に把握することで、次のステップに確実に進むことができます。相続財産をリストで一覧にしておくこともおすすめです。

預貯金

預貯金口座をいくつか持っている場合が多いと思いますが、まずは全ていくらあるのか確認するところから始めます。
対応を留意しなければならないのは、口座振替に使われているメイン口座です。
銀行や郵便局は正式に死亡を届けた時点で、口座を凍結し、相続手続きに入りますので、メイン口座の引き落としになっている支払先の手続きが終わらないうちに凍結すると、個別に支払いを行う手間が発生します。
したがって、まずはこれまで口座振替を行っていた支払先に連絡し、解約もしくは口座の変更手続きが済んでから、口座の相続手続きを行います。
筆者の場合、父が亡くなったのは7月でしたが、9月末まで口座振替が続きましたので、メイン銀行に相続の届出を行ったのは10月に入ってからでした。
銀行によって異なりますが、必要な資料は次の通りです。

手続き持って行くもの
預貯金の名義変更預貯金の名義変更
印鑑
相続人全員の印鑑証明
遺産分割協議書または遺書
故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本
除籍謄本
通帳、キャッシュカード

印鑑証明や戸籍謄本は通常返してもらえますが、念のため原本は返還することを伝えてください。

株式

証券会社を通じて購入した株式は、証券会社に連絡して銀行と同じように手続きを進めます。
売却する場合でも、相続人名義の口座を準備した上で、換金を行います。
証券会社によって異なりますが、必要な資料は次の通りです。

手続き持って行くもの
株式の名義変更株式の名義変更
印鑑
相続人全員の印鑑証明
遺産分割協議書または遺書
故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本
除籍謄本

経営していた会社の自社株を所有していた場合は、会社関係者に連絡し、顧問税理士と相談することをお勧めします。

自動車・バイク

自動車やバイクは分類によって次のように手続きが異なります。

分類届出先手続き
自動車陸運局移転手続き
小型二輪車陸運局廃車手続き後名義変更
軽二輪車陸運局廃車手続き後名義変更
原付自転車市区町村廃車手続き後名義変更

必要な資料は次の通りです。

分類廃車名義変更
自動車車検証
戸籍謄本
遺産分割協議書
印鑑証明書
実印
車庫証明
小型二輪車小型二輪(250cc以上)
車検証
ナンバープレート
印鑑
車検証
譲渡証明書
相続人の住民票
印鑑
軽二輪車軽自動車届出済証
ナンバープレート
印鑑
軽自動車届出済証
自賠責保険証明書
相続人の住民票
印鑑
原付自転車標識交付証明書
ナンバープレート
印鑑
身分証明書
廃車証明書
自賠責保険証明書
標識交付申請書
身分証明書
印鑑

車の名義変更を行う場合は、全財産ではなく自動車用の遺産分割協議書を作成する必要があります。
関東運輸局のダウンロード先を貼っておきます。
遺産分割協議書の様式(自動車用)

不動産の相続

不動産の相続はかなりややこしいので、次のレポートをご確認ください。