葬儀社の選び方

2024年8月22日

大切な家族が亡くなったとき、まず行わなければならないのが「葬儀社選び」です。
精神的な余裕はもちろん、時間的にも余裕がないなかでの判断となるため、事前にある程度「葬儀社の選び方」を把握しておくことが求められます。

ここでは、
・葬儀社を決定する前と、決めた直後に確認しなければならないこと
・準備ゼロの状態から葬儀社を探すため有効な方法
・葬儀社選びのポイント
について解説していきます。

鍋谷 萌子(葬祭評論家)

葬儀社決定前に確認しなければならないこと

故人の遺志の確認

葬儀社を決定する前に絶対に行わなければならないのが、「故人の遺志の確認」です。
現在は終活の一環として、「自分が息を引き取ったときに、葬儀を頼みたい葬儀社」をピックアップしている人もいます。またなかには、事前に会員になっておけば葬儀を実行する際に葬儀費用が安くなるとして、特定の葬儀社の会員になっている人もいます。互助会に入っている人もいるかもしれません。
そのため、まずは故人の遺志の確認を行いましょう。上記のような動きをしている人は多くの場合、エンディングノートを記していますから、まずはその内容を確認するようにしてください。
※海外では生前にお金を振り込んでおく「葬儀の生前契約」も一般的ですが、日本ではここまで進んでいるケースは極めてまれです。そのためここでは取り上げていません。

菩提寺

次に確認しておくべきは、「菩提寺の有無と、その名称」です。
これは上で挙げた「故人の遺志の確認」とは異なり葬儀社を決定した後であっても間に合わないわけではありませんが、事前に次の点を確認しておくと話が非常にスムーズになります。

1.菩提寺があるのかないのか
2.あるとしたらその名称
3.あるとしたら菩提寺に葬儀を頼むのか、頼まないのか

なお、「菩提寺があり、その菩提寺に先祖代々の寺があるにも関わらず、その菩提寺のご僧侶に声を掛けないで葬儀を行う」という方法を選んだ場合、納骨を拒否される可能性もあります。これも考慮して、上の3つについて考えていきましょう。

葬儀社決定直後に決めなければならないこと

「葬儀社選びのポイント(後述します)」を元に葬儀社を決定した直後に決めなければならないことを、ここで解説していきます。

安置場所

葬儀社を決めた場合、すぐに葬儀社の車が駆けつけてくれます。現在は病院で息を引き取る人が大半ですが、病院の霊安室は長く使えるものではありません。
そのため、故人を車にお乗せして、すぐに別の安置場所に移動する必要があります。葬儀社の車がやってくる前に、安置場所を決めましょう。なおよく選ばれる安置場所として「自宅」がありますが、スペースに制限がある場合は葬儀社の持っているホールの親族控え室なども利用できます。

宗教宗派

どの宗教宗派で葬儀を行うのか確認します。いつもお世話になっている菩提寺や教会などがあれば、その所属の宗教者と、の日程を確認します。なお仏教を信仰しており、で「菩提寺がないもしくは分からないがご僧侶にはきてほしい」という場合は、お坊さんを手配してくれるサービスもあります。

お坊さん便

参列規模

そして次に、「どういう人に声をかけ、参列者が何人位になるのか」を家族で確認しあいます。
・親族
・故人の友人関係
・仕事関係
を洗い出して、呼ぶ人数を考えていきましょう。エンディングノートがある場合は、そこに「呼んでほしい人」「連絡先」が書かれていることが多いので、これを確認します。
またこの際には、「故人の人間関係」だけでなく、「喪主や家族の人間関係」も考慮しましょう。特に喪主が現役世代の場合は、喪主絡みで葬儀に参列する人も多いからです。

葬儀会社はさまざまな質問や相談に乗ってくれますが、このような「葬儀の一番底の土台」は、ご家族でなければ決められない部分が多いといえます。逆に言えばこれらをある程度決めておけば、やり取りは非常にスムーズになるということです。

【亡くなった直後に葬儀社を選ぶ】強い味方葬儀社のポータルサイト

亡くなったら、すぐに葬儀社を呼んで故人を安置場所にお連れしなければなりません。時間がない状況で個別の葬儀社を一つひとつ探す余裕はありません。
そのため、ポータルサイトで条件に合う葬儀社を検索する方法が現実的です。葬儀社選びに役立つポータルサイトは次の通りです。

よりそうお葬式 

掲載数4000以上の斎場、葬儀社
特徴小さなお葬式と同様、家族葬等、小規模のお葬式プランが充実。
顧客満足度97%と高い品質保証がセールスポイントで、満足しない場合は全額返金制度もあり。
運営会社株式会社よりそう
ホームページよりそうのお葬式

小さなお葬式

掲載数4000以上の斎場、葬儀社
特徴家族葬等、小規模のお葬式に絞ったプランを設定。
運営会社株式会社ユニクエスト
ホームページ小さなお葬式

安心葬儀

掲載数7000以上の斎場、葬儀社
特徴東証プライム上場会社が運営するポータルサイト。最大級の掲載数の
中から希望にあった式場を選択ができます。
運営会社株式会社エス・エム・エス
ホームページ安心葬儀

葬儀社選びのポイント

すでに述べた通り、「人が亡くなってから葬儀社を選ぼう」と考えると、精神的にも時間的にも余裕がないなかで選ばなければならなくなります。現在のポータルサイトは非常に使いやすく有益性の高いものとなってはいますが、それでも、事前にある程度絞り込んでおいた方がより満足感の高い葬儀社を選べます。亡くなった直後は時間がないため葬儀社の比較検討はできませんが、事前に準備をしておけば、複数の葬儀社を見比べながら、より自分たちに合った葬儀社を選べるようになります。

では、事前に葬儀社を選ぼうとしたときは、何を基準に判断していけばよいのでしょうか。

その答えは、以下です。

  • 料金の明朗さ
  • スタッフの対応
  • 資格の有無
  • 【プラスアルファ】希望する葬儀が可能か

それぞれ見ていましょう。

料金が明朗か

冠婚葬祭で共通することですが、申し込み時のプランは安くてもオプションの追加やランクアップで思いもよらない高額費用になってしまうことはよくあります。
同じ条件で複数の葬儀社に見積もりを出してもらい、「プランに含まれているもの何か」「何がオプション扱いになるのか」をしっかり確認し、明朗会計が疑わしい葬儀社は選ばないようにしましょう。

スタッフの対応が丁寧か

ご家族に寄り添い、真摯にサービスを提供するような会社は、スタッフの受け答えも非常に丁寧なものとなります。問い合わせ時に粗雑な対応をしてくる葬儀社は、選択肢から外しましょう。

資格の有無を確認する

優良な葬儀社は、自社のスタッフに積極的に葬祭ディレクター(実務経験最低2年以上なければ取れない資格)などを取らせようとします。逆にいえば、これらの資格を持っているスタッフが多い葬儀社は信頼がおけるということです。
また、その葬儀社がその地域で長年営業を続けている場合は、少なくともその葬儀社は大きな問題を起こしていないと判断できます。

【プラスアルファ】希望する葬儀が可能か

葬儀社は、それぞれに得意とする葬儀の形式があります。一般的な規模の一般葬や家族葬、直葬はどの葬儀社でも対応できますが、「葬儀ホールのなかに大がかりな花畑を作ってお見送りをしたい」「故人が愛したお店の店長に来てもらって料理を振る舞ってほしい」などの希望があれば、それを実現できる葬儀社は絞られてきます。
もしこのような希望がある場合は、必ず事前に問い合わせ、実現できるかどうかを確かめなければなりません。

葬儀は、「弔い直し」などの一部の例外を除き、「二度とやり直しができないもの」です。
そうであるからこそ、パートナーとなる葬儀社選びは非常に重要です。

葬儀の口コミ

掲載数
事業所数12,549カ所

特徴
全国の葬儀社や葬儀場・火葬場の口コミや評判を簡単にチェックできる葬儀社検索サイト。
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運営会社
株式会社ディライト