遺産を相続できる法定相続人と法定相続割合

2023年3月7日

遺産を相続できる法律で決まった相続人を法定相続人といい、相続は故人の遺書や相続人同士の協議で決めますが、法律で決められた相続割合や相続割合がありますので、次の内容で説明します。

なお相続手続きについては次のページで取り上げていますので、併せてご覧ください。

法定相続人とは

遺書で財産を相続する人を指定することができますが、法律で決められた法定相続人というものがあり、その対象となる親族と優先順位は次のとおりです。

 婚姻届を提出している配偶者
 子(実子・養子・認知された子)
 両親(または祖父母)
 兄弟姉妹

相続人が既に他界している場合

相続人が既に他界している場合は、その親や子が法定の相続人になります。

親が他界している場合

親が他界している場合は、祖父母が法定相続人で、祖父母も他界している場合は、兄妹姉妹が法定相続人になります。
なお父母、祖父母が他界し、曾祖父母が存命な場合は、兄弟姉妹よりも優先されます。

兄弟姉妹が他界している場合

相続の優先順位が3番目である故人の兄弟姉妹が相続人になったものの、その方が既に他界している場合は、その子である甥姪が法定相続人となります。

相続人がどこにいるか分からない場合

不動産の名義変更を数代行っていない場合や、再婚で親戚がよく分からない場合等によくありますが、誰が相続人でどこに連絡すれば良いか分からないという場合の対応です。
不動産を相続しないにしても遺産分割協議書への同意抜きには手続きが進みません。

① 不動産の名義人になっている故人の戸籍を確認する
故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を取得し、相続人を特定
② 相続人の戸籍の附票を取得し、住所を把握
③ 戸籍の住所に連絡
戸籍に記載の住所に自身の電話番号を記載した手紙を送りコンタクトをとります。
④ 連絡が取れない場合は家庭裁判所に相談
連絡がとれない、届出の住所に住んでいない場合は、不在者として家庭裁判所に申請します。

甲斐司法書士

内縁の夫・妻がいる場合や養子縁組をしている場合には、だれが相続人なのか混乱しやすいです。また、亡くなっている方がいる場合には代襲相続、数次相続を検討しなければいけません。自分がどのパターンに該当するのか、見落としのないようにしてください。

離婚した場合

離婚した場合、配偶者は法定相続人の対象から外れ、また内縁関係にある配偶者も相続権はありません。

法律で定めれられた相続割合の基準

民法で定められた法定相続割合は、遺書や遺産分割協議で相続割合が決まらない場合の最後の砦で、次のように定められています。

優先順位パターン相続割合
1配偶者+子配偶者1/2:子1/2
2配偶者+父母
(または祖父母)
配偶者2/3:父母1/3
3配偶者+兄弟姉妹配偶者3/4:兄弟姉妹1/4

配偶者以外の相続人が複数いる場合は、その相続人の位置づけの人数で案分されます。

例えば、遺族が配偶者と子供が2名の場合の相続割合は、配偶者は1/2で、子供は1/2を2名で案分して1/4ずつです。

出典:国税庁ホームページ